改めて言うまでもないけど、乳幼児がいると時間に余裕がなくなる。
僕は今育休中であるが、それを差し置いても夜はそこそこ忙しい。夕方17時〜18時くらいに子供の三回目の離乳食を済ませ、お風呂に入れ、全身の保湿や寝る前の支度をし、寝かしつけをする。この時点でだいたい20時前後。すんなり寝てくれればいいが、もちろんぐずぐずと寝ない日もある。寝かしつけに苦戦し、最終的に寝たのは22時を過ぎた頃、というのもざらにある。
そうすると、親である我々が食事を摂る時間がかなり限られてくる。全く無理、ということはないが結構厳しい。少なくとも、家族みんなで食卓を囲んでご飯に味噌汁におかずを数品...というのはほぼ不可能に近い。ゆっくり食事を用意している時間がないのだ。
それで、夕食についていろいろ考えているときに出会ったのが、ドイツの「カルテスエッセン」という夕食のスタイル。直訳すると「冷たい食事」という意味になる。「冷たい」が意味するように、火を使うような凝った料理はしない。その代わり、ハムやチーズ、ソーセージ、パンなどを短い時間でサクッと済ませてしまおう、というものだそうだ(参考: 夕食は頑張らずに簡単に済ませるのがドイツ流。「カルテスエッセン」で夜時間を楽しもう♪ )。語弊があるかもしれないが、かんたんに言うと「めっちゃ雑な夕食」ということ。
試しにこれを我が家でも実践してみたが、めちゃくちゃよかった。
僕の場合、煮卵やヨーグルト、トーストなどをだいたい15分くらい食べる。だいたい、腹6分目くらいのイメージ。21時くらいに食事を済ませ、24時くらいに寝るまでには何も食べない。
まず、こんな食事なので準備がいらない。特別な買い出しも不要。そして品数と量が少ないので、食べる時間が短くて済み、洗い物も少ない。胃がもたれずその後も快適で、寝るまでの時間を有意義に使える。さらに、胃に負担がかからないので翌朝も快調。一石二鳥どころではない、メリットだらけなのである。
なんとなく、夜はしっかり料理をしてゆっくり食べるという幼少期からの馴染みのスタイルが定着していたので、それをぶち壊すことに抵抗がなかったこともないが、それ以上にめちゃくちゃ夜が楽になった。このスタイルをはじめてから2ヶ月くらいは経つが、とても満足している。
夜に食べる量が少ないと、「1日中ずっと腹減ってるのでは?」と思うかもしれないが、昼はけっこう普通に食べる。「腹一杯」までとは言わずとも、十分に満足できる量を食べ、「夜はまぁ軽く済ませればいいかな」と思うところまで持っていくのがコツだ。
そもそも、育児をしている共働き夫婦が終業後にちゃんと料理をして食事を楽しむ、というのはかなりハードルが高い行為なのかもしれない。夫婦共にリモートワークで、残業もほとんどない、とかだったらハードルは多少下がるけど、それでも子供の睡眠スケジュールを第一に考えると結構難しいと思う。もしかしたら、そういう夕食の風景は専業主婦が当たり前だった過去の時代のものになっていくのかもしれない。
食べることが好きで、毎日夕食を楽しみにしているような人にとってはなかなかきついかもしれない。ただ、それより夜にもっと時間に余裕を持たせたいと思っている人にとって参考になれば幸いだ。