未経験駆け出しエンジニアとしてWebの受託制作企業に入社し、丸2年が経った。幸いなことにいろんなタイプの案件に関わることができ、コツコツ経験値を積んでいるこの頃。Webフロントエンドエンジニア3年目という節目で、改めて今後考えられるフロントエンドエンジニアとしてのキャリアを想像してみる。
ご容赦いただきたいのは、以下はあくまで3年目のWebフロントエンドエンジニアとして想像する未来であって、100%正しいなんてことはないということ。MECEでもないし、粒度も適当。
1.フロントエンド職人
ひたすらWebフロントエンドエンジニアとしての知識・経験を積みまくって職人みたいになるケース。
マネジメントとか、チームビルディングとかあまり考えずに、とにかくコードを書いて書いて書きまくってプロダクトに貢献するような人。超トップレベルだと、OSSだけやってメシを食ったり(そんな人いるのかな?)、モダンなフロントエンド技術の伝道師的なポジションに立つ人もいるかもしれない。あとは、フロントエンド周りの設計でアドバイザーになったり、ハイパーリッチなWebコンテンツやゲームコンテンツが作れる一芸に秀でた人もいる。
2.Webアプリケーションエンジニア
これは、Webフロントエンドからさらに職能の幅を広げて、サーバーサイド、インフラなどWebアプリケーション制作に必要な幅広い知識を付ける例。
最近はフロントエンドエンジニアと一口に言っても、BaaSを使ってフロントエンドエンジニアがバックエンドまで面倒を見たり、バックエンドのコードを Node.js で書いたりするパターンもあって、フロントエンドとバックエンドの境界はどんどん曖昧になりつつあるので、このキャリアパスの描き方は見通しが立てやすいように思う。
3. テクニカルディレクター
主に受託を行うWeb制作会社において、案件のテクニカルディレクションを行うようなポジションに立つケース。クライアントと折衝したり、チームを統括してプロジェクトを進めるのが得意なタイプには向いてるように思う。
テクニカルディレクターは大きな実装方針を策定したり、技術スタックを考えたりするのも主な仕事になってくるので、ある程度Webアプリケーションにおいては一通りの経験が必要と思われる。スキルのパラメータがまんべんなく高いイメージ。幅広い知識と経験が必要になるので、どちらかといえば上記の②のパスの先にあるものなのかもしれない。
4. プロダクトマネージャー、プロダクトオーナー
上記の③より、もっと事業全体に責任を持つケース。プロダクトマネージャーとして雇われ店長みたいに外部のプロジェクトに参画するパターンも、自分でプロジェクトを立ち上げてそのままプロダクトオーナーになるパターンもどちらも考えられる。
これも、③と同様に幅広い知識と経験が必要で、さらにそれに加えてビジネス的な視点も求められる。自分でプロダクトを作って運用していく以外の道としてはなかなかハードなのではないか。
5. テクニカルセールス
microCMS の求人情報で知ったが、テクニカルセールスという役職も求められてきているらしい。たしか、高専時代に研究室にキーエンスの人が営業に来て、なにかのセンサの営業をしてくれたけど、多分ああいうイメージなんだろう。要は、商材にまつわる技術に明るく、顧客が抱える技術的な課題にまで踏み込んで最適な商品やプランを売るような人。
これは、技術的な知識が豊富にあることはもちろん、顧客のインサイトを探り、交渉していくという、ビジネス総合格闘技的なセンスが求められるだろう。たぶんこれができる人はどんな仕事もできると思う。
というわけで、Webフロントエンドエンジニアとして将来ありえるキャリアパスを5つ考えてみた。こうして揃えてみると、自分が今後どうしていきたいのか、なにができそうか、を考えるのに役立ちそうだ。
個人的に、まず①は無理そう。CSの学位を持っているゴリゴリの情報系エリートのような人たちに、単に技術力で勝負を挑んでも勝ち目はないと思っている。直近はフロントエンドの地肩をつけながら②を目指しつつ、⑤とかもおもしろそう。セールスの仕事は一度やってみたいと思っていた。
なんにせよWebアプリを作る技術者としてはまだまだ足りないことだらけなので、毎日ひとつでも多く勉強して価値を高めていかないといけないことは、どのルートを辿る場合にも共通しているので、がんばります。