昨年(2024年)の11月に第二子が生まれた。ほんの数年前まで、自分がまさか誰かの親になるなんて想像していなかったし、ましてやそれが2人になるなんて微塵も思ってなかった。しかもふたりとも女の子だ。そんな第二子も生後半年を迎え、文字通り、日に日にすくすくと育っている。生成AIほど急には成長しないが、毎日着実に育つ。昨日は、はじめてストローで麦茶を飲めた。風呂上がりの麦茶はうまいよな。
二人目の育児となると、当然ながら一人目の頃とは勝手が違ってくる。何から何まですべて初体験だった一人目とは、また違う競技をやっている感じだ。リアルタイムで育児をおこなっている今、一人目育児と二人目育児の違いについて思ったことを書き残しておきたいと思う。
「子を育てる」行為そのものは楽。だが、それが2人いる状況は初めてなので大変。
なんやかんや言っても一人目の育児を3年くらい経験しているので、赤子〜幼児までを育てること自体への耐性はかなりついてきている。そのため、二人目については、ほとんど全部経験済みになるので、なにか新しく覚えたり、初めてのシチュエーションでテンパるみたいなことは正直ほぼない。日々の育児からたまに訪れるイベントまで、「やったことがある」ものばかりだ。
ところが、だ。小さな子どもを育てること自体には慣れてきたが、その小さい子どもが2人いる、という状況ははじめてなのである。つまり、個としての育児は2回目だが、2人を同時に育てる育児は初めてで、未知のゾーンに突入することになる。子どもが1人の場合は、うちは親が2人いるので、基本的にどちらかが見ておけばいい。しかし、2人に増えると、子どもと親の数が対等になるので、1対1で面倒を見ないといけない。この変化は思いのほか大きかった。
これまででいちばんの試練は、やはり、次女を出産して1ヶ月後、飛行機や電車を乗り継いで実家の鹿児島から自宅の神奈川まで家族4人で移動したことだろう。まだ首も据わっていないほにゃほにゃの状態の次女を丁寧に抱き抱えながら、一方では、保育園もしばらくの間お休みし、体力が有り余ってしかたがない3歳児も引き連れていかないといけないという高難易度のミッション。飛行機はもちろん大変だし、そこから駅に移動して電車で移動するのもなかなかヤバい。ちょっと思い出すだけでも気が遠くなるような、そんな1日だった。普通に、軽く泣いてたと思う。
あとは、毎日、夜寝るときも子ども1人だったときより難易度は格段に上がっている。幸い、次女はよく寝てくれているが、長女がとにかく寝ない。黙っていればずーっと起きて絵本をせがんでくる。子の成長を願う親としてはできるだけ早く寝てほしい。早く寝てほしい親 vs どうしても寝たくない長女。そうやってバトっていると、「......んっ、ふっふっ、ふぇぇ〜〜ん」と次女が泣き出す。そしてなぜか長女もつられて泣き出す。時刻は深夜23時。もう、毎日ひたすらこれの連続なのである。
子どもが同性の場合、全然服を買わなくて済む
これはうちだけのケースかもしれない。子どもがどちらも女の子で、かつ年齢も3つといい具合に離れているので、洋服関係は完全に長女のおさがりを活用させてもらっている。我々の親(子どもから見たじいじやばあば)から、ありがたいことに服を買ってもらったりすることもあるが、基本的には買わなくて済んでいる。自分たちで買ったのは数着くらいだと思う。
意外にも、「おさがりばかりで申し訳ないな...」みたいな気持ちはほとんどない。なにせ、長女のときに服をたくさん買ったので、あまり着ていない80cmくらいの服がたくさん余っているのと、シンプルにまだ着れるコンディションの服があるので、全然それでいいっしょ!的なノリだ。世は大SDGs時代。我が家もここぞとばかりに乗っからせてもらう。
長女の分はどんどんサイズアウトしてしまって、より大きいサイズを追加で買わないといけない。すると、また次女が後に着られる服が増える。完璧なロケット鉛筆方式。あと数年はこの運用で回していけるのではないかと思っている。
家族そろっての外出は、より億劫になった
はっきり言って、大変すぎる。気合いを入れて近くのショッピングモールに出かけても、軽く買い物をして、フードコートでご飯を食べ終えたくらいの時点でもうヘトヘトになっている。労力と得られるものがあまりに見合っていない。しかも、そういうところで雑に食べるランチほど満足度が低く、別にウマくも嬉しくもないご飯に4〜5,000円払う、みたいなことになる。これはちょっとしんどい。
もう少し子どもが大きくなればだいぶラクになるのかもしれないが、0歳と3歳を連れてでかけるのは、今のところ自ら体力と精神力を削るだけの行為でしかない。そういうイベントが好きな家族もいるのかもしれないが、自分には合わない。
近くの公園に遊びに行ったり、散歩したりはする。最近は、100均でボールを買って、長女といっしょにサッカーをして遊んでいる。子どもからしてみれば、ショッピングモールをただあてもなくぶらぶら歩くよりは、サッカーをしたり、ジャングルジムを登ったり、ブランコに乗るほうがよっぽど楽しそうではある。
一人目の子をおそるおそる育てる日々と、二人の子どもを同時に育てる日々は、それぞれに違いがあり、どちらもタイプの違う大変さと楽しさがある。子育ては、そのフェーズによってどんどん味わいが変わる、ということを思い知った。
例えば、中3の長女と小6の次女とかの組み合わせもなかなかパンチが効いていておもしろそうだし、25歳の長女と22歳の次女とも早くいっしょに食事に行ったりしてみたい。まだまだ気が早いが、初任給でなにかプレゼントをしてもらう、とかは正気ではいられないくらい嬉しいんだろうな(これを書いてるだけでもゾワ〜ってした)。そりゃあ、もちろん大変なことには間違いないが、そういう楽しみがずっとある。